こんにちは!
彼岸花には毒がある、ということを聞いたことがある方も多いかと思います。
彼岸花は田んぼの側などにたくさん生えていますから、小さなお子さんやペットがいる方は心配ですよね。
「彼岸花の毒ってどこにあるんだろう?」
「彼岸花の毒ってどうなるんだろう?」
そんな疑問を持っている方のために彼岸花の毒性について詳しくまとめました。
大切なお子さんを守るために、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
彼岸花の毒のある場所
彼岸花は全草有毒と言って花全体に毒があります。
・花
・葉っぱ
・茎
・球根
その中でも特に球根に毒が多いと言われています。
この後詳しく紹介しますが、食べたりすると中毒症状が起こります。
葉っぱはアサツキにも似ていて誤食しやすいので注意が必要ですね。
触っただけなのであれば特に問題はありません。
とはいえ、茎や球根の中にある液体に触れるとかぶれることもありますし、
そのまま料理したり食事したりすることで間接的に口に入ることもあります。
彼岸花を摘んだときにはしっかり手洗いするようにしましょう。
彼岸花の毒性
彼岸花には約20種類のアルカロイドが含まれています。
植物の中に含まれる、窒素を含んだアルカリ性化合物のこと。
モルヒネ、コカイン、カフェインなど。
その中でも代表的なのが「リコリン」と「ガラタミン」です。
彼岸花の有毒成分「リコリン」「ガラタミン」とは?
彼岸花の球根には1gあたり0.05mg~0.46mgのリコリンが含まれています。
リコリンは彼岸花の学名である「リコリス」から命名された毒。
彼岸花の仲間であるスイセンにもこの毒が含まれています。
ガラタミンは球根1gあたり0.012mg~0.071mg含まれています。
ガラタミンは記憶力の回復に効果があることが分かっており、アルツハイマーの治療薬にも使われています。
リコリンとガラタミンの致死量はどちらも10g。
彼岸花の球根は大体20gくらいなので、約1080個の球根をドカ食いしないと死なない計算です。
ただ、死なないだけであって中毒症状は出ますから試しに食べてみるようなことは絶対にしないでくださいね!
彼岸花の毒にはこんな目的があった!
彼岸花は球根を虫や動物から守るために毒を持つようになったと言われています。
昔から虫除けとして彼岸花を植えたり、土葬の後、遺体を動物に荒されるのを防ぐためにお墓の周りに植えたりしていました。
「彼岸花 = お墓」のイメージも納得ですね!
彼岸花は食べ物や薬としても役立っていた
彼岸花の毒は水溶性のため、水洗いで毒抜きすることができます。
球根からデンプンをとることができるので、食糧難の時代には芋と同じく貴重なエネルギー源でした。
彼岸花は毒があるため年貢の取立ての対象になりません。
取立てが厳しく、食べるものがないときは彼岸花の球根を食べて飢えを凌いでいました。
彼岸花の毒抜きには色々な手順があって手間もかかるのですが、
知識のない者が行って毒抜きに失敗し、中毒死することもあったようです。
正しく使えば毒も薬。
彼岸花は漢方薬として消炎剤・利尿剤にも使われています。
ただし、薬として使うには正しい知識が必要です。
安易に試してみるようなことはしないでくださいね!
彼岸花の毒の症状
彼岸花の球根を毒抜きせずに約2g食べた場合、30分以内に腹痛を伴う激しい下痢と嘔吐が起こります。
彼岸花の毒の中毒症状は次の通り。
- 吐き気
- 下痢
- 嘔吐
- 胃腸障害
- めまい
- 筋力低下
- 呼吸困難
- 呼吸不全
- 痙攣
- 中枢神経の麻痺
主な症状は吐き気や下痢、嘔吐ですが
症状が重いと呼吸困難や中枢神経の麻痺を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。
今のところ解毒剤はないため、中毒症状が出たら吐き気を促す薬や下剤を使ってなるべく早く毒を体から出すような処置を行います。
誤って口にしてしまった場合は自己判断で市販薬を使わず、すぐに病院に行くようにしましょう!
乳幼児の場合は吐いたものが喉に詰まって窒息してしまう危険性があるため注意して見ておくようにしてくださいね。
彼岸花の毒のある場所 まとめ
・彼岸花の毒は特に球根に多く含まれている。
・触っただけなら問題ないが、間接的に口に入ることもあるためしっかり手洗いする。
・彼岸花にはリコリンやガラタミンをはじめとした約20種の有毒成分が含まれている。
・彼岸花は土葬した遺体を動物から守るためにお墓によく植えられていた。
・彼岸花の毒は水洗いで毒抜きできるため、食糧難のときには貴重なエネルギー源だった。
・彼岸花は漢方薬やアルツハイマー治療薬としても使われる。
・彼岸花を食べると吐き気や嘔吐などの中毒症状を引き起こし、最悪の場合は死に至る。
・誤って彼岸花を口にしてしまったときは薬を飲まずにすぐ病院へ!
・乳幼児は嘔吐物による窒息に注意!
彼岸花の毒のある場所や毒性、中毒症状について紹介しました。
昔は貴重な食料でしたが、今では彼岸花を食べようと思って食べる方はあまりいないかと思います。
ですが、葉っぱ状態の彼岸花はアサツキに似ていますし、
同じ毒を持つスイセンはニラにも似ているので毒があると知らずに誤食してしまうこともあります。
むやみに怖がる必要はありませんが、
彼岸花を摘んだ後はよく手洗いをする、
中毒症状が出たら自己判断で薬を使わずすぐ病院に行く、など
正しく対処できるようになりましょう!