こんにちは!
ハロウィンの代名詞のかぼちゃ。
ハロウィンが近づくとかぼちゃのハロウィングッズがずらっと並んだり、
ハロウィンの仮装用にかぼちゃを模したコスチュームがあったり、
日本ではあまりいないかもしれませんが
かぼちゃランタンを作って飾ったりもしますよね。
ハロウィンといえばかぼちゃ!のイメージも強いですが、
どうしてかぼちゃなんだろう?と思ったことはありませんか?
秋のイベントだから、例えばキノコでもよさそうですよね。
それに、ハロウィンのかぼちゃはオレンジ色のものばかり。
日本で一般的によく見かける緑色のかぼちゃを飾ったり
ランタンにしないのはなぜでしょうか。
オレンジ色のかぼちゃと緑色のかぼちゃの違いはなんでしょうか。
今まで、「ハロウィン = かぼちゃ」と特別意識したことはないかもしれませんが
改めて考えてみると疑問は尽きません。
ハロウィン一色になった街中やお店のディスプレイを見たお子さんに
「なんでかぼちゃ?」なんて聞かれたら・・・
なんて答えていいか迷ってしまいますよね^^;
今回の記事では、ハロウィンに飾るかぼちゃのランタン【ジャックオーランタン】の
由来とオレンジ色のかぼちゃを使う理由、顔を掘る理由の3点について紹介します。
今までなんとなく飾っていたかぼちゃの秘密を知って
ぜひお子さんや周りの方にも教えてあげてくださいね♪
目次
ハロウィンにかぼちゃを飾るのはなぜ?
現在では、かぼちゃはハロウィンの代名詞ですしなくてはならない存在ですが
実はもともとハロウィンとカボチャは無関係のものです。
ハロウィンのもとになった風習と鬼火伝承が混ざって
現在のようなハロウィンの形になったと言われています。
それぞれ詳しく紹介しますね!
もともとのハロウィン
もともとのハロウィンは古代ケルト民族の収穫祭でした。
ハロウィンはキリスト教の行事、と思っている方も多いですが
これは間違いです。
古代ケルトでは11月1日が一年の始まり。
10月31日の日没後に秋の収穫を祝って宗教的なお祭りが行われていました。
また、この日はあの世とこの世が繋がり死者の魂が帰ってくる日でもあります。
日本のお盆と同じ感覚ですが、一点違うのは悪魔や精霊、魔女など悪い霊まで
一緒にこの世に来てしまうということ。
なので、悪霊に襲われたり連れて行かれたりしないように
仮面を被ったり(のちの仮装)、魔除けの焚き火(のちのジャックオーランタン)をしたりして
身を守っていました。
ジャックオーランタンの鬼火伝承
ハロウィンにおなじみのジャックオーランタンは
世界中にあるウィル・オ・ウィスプ(鬼火伝承)のうちのひとつです。
沼地なんかでよく起こる正体不明の発火現象にお話をつけて言い伝えられたものですね。
日本でも「火の玉」「人魂」「鬼火」「狐火」など色々な名前で呼ばれていて
「亡くなった人や動物の魂」とか
「怨念が火となって表れたもの」とか言われています。
(実際のところはプラズマ説とかリン発火説とか色々あるようです)
そういった言い伝えは世界中にあり、ジャック・オ・ランタンもその一つです。
ジャック・オ・ランタンの伝承を紹介しますね。
内容が多少違って紹介されることもありますが、大体はこんな感じです。
大酒飲みで嘘つきで怠け者で、悪行を繰り返していた男です。
ハロウィンの日、ジャックは酒場で魂を奪いに来た悪魔と出会います。
「死ぬ前に最後の1杯を飲ませて欲しい。」
酒代が足りなかったジャックは悪魔に6ペンスコインに化けてもらいます。
ジャックは悪知恵を働かせ、銀の十字架で押さえつけたコインをお財布にしまいこみ、
悪魔が元の姿に戻れないようにしてしまいました。
困った悪魔は今後10年、魂を奪いにこない約束をしました。
その10年後、再び魂を奪いにきた悪魔に
「死ぬ前にりんごが食べたい。とってきてくれないか」と頼みます。
悪魔が木に登ると、ジャックはナイフで木の幹に十字架を刻み
悪魔が木から降りられなくしてしまいました。
二度も騙された悪魔は、ついに「二度とジャックの魂を取らない」という契約をします。
その後ジャックが亡くなり天国へと向かうのですが、
生前の行いから天国へ入ることは許されませんでした。
仕方なく地獄へと向かいましたが、悪魔との契約で地獄へ入ることもできません。
天国にも地獄にも入れないジャックはもと来た道を戻ることにします。
真っ暗で風の強い夜だったので、ジャックは最後のお願いとして
火が欲しいと頼みました。
哀れに思った悪魔は地獄の業火から火のかけらを取り、ジャックへ渡します。
ジャックは強い風で火が消えないように、道に落ちていたカブをくりぬき
そこに火を入れてランタンを作りました。
ジャックはカブのランタンを手に、あの世とこの世の狭間を永遠に彷徨っています。
なぜかぼちゃ?
ジャックオランタンの伝承ではカブを使ったランタンでしたね。
もともとのジャックオランタンはカボチャではなくカブなんです。
今でもアイルランドやスコットランドではカブのジャックオランタンが
作られているようです。
では、なぜハロウィン=かぼちゃのランタンかというと、
ハロウィンの文化がアメリカに伝わったときに
手に入りやすいかぼちゃで代用したからです。
それがそのまま世界に伝わり、ハロウィン=かぼちゃが定着しました。
オリジナルよりもアレンジが有名になるパターンです。
さて、もともとのハロウィン文化とジャック・オー・ランタンの伝承を紹介しました。
もともとの「魔除けの焚き火」と「ハロウィンに現れるランタンを持った男」が
合わさり、現在では魔除けの意味をこめてカボチャ(カブ)のランタンを
玄関先に飾るというのが一般的です。
カボチャランタンには善霊を引き寄せ、悪霊を遠ざける意味があります。
カボチャランタンがあると、悪魔は「あれはジャックだ!」と思って
逃げていくそうですよ♪
ハロウィンのかぼちゃがオレンジ色ばかりなのはなぜ?
ハロウィンのかぼちゃと言ったら、オレンジ色のものが思い浮かびますよね。
でも、日本で一般的に流通しているかぼちゃは皮が緑色とか黒とかのもの。
緑色のかぼちゃが飾られていないのは不思議ですよね。
かぼちゃにも色々な種類がありますが、
日本でよく見かける緑色のかぼちゃとハロウィンに使うオレンジ色のかぼちゃは
別の種類のものです。
緑色のカボチャは西洋カボチャ(squash:スクウォッシュ)、
オレンジ色のカボチャはペポカボチャ(pumpkin:パンプキン)です。
欧米ではオレンジ色のペポカボチャのほうが主流で、
当然ジャックオランタンもオレンジ色のカボチャを使って作られています。
それがそのまま日本に伝わったため、
ハロウィンといったらオレンジのカボチャ!で定着しています。
オレンジ色のカボチャにも食用のものはありますが
ジャックオランタンに使うような大きなかぼちゃは
もともと飼料用に栽培されていました。
(食べられなくはないですが美味しくありません)
現在ではもっといい飼料が開発されていますから
あの大きなオレンジ色のカボチャはもっぱら観賞用です。
くりぬいてハロウィンの飾りにしたり、
そのままの状態で秋の飾りにすることもあります。
日本で作る場合、普通に普段食べている緑色のかぼちゃで作るというのも
斬新で面白いかもしれません。
ただ、オレンジ色のものに比べて皮がかなり固く(お料理する方は分かるはず!)、
くりぬく作業が結構大変だと思いますので
試してみる場合には安全に注意して作ってくださいね!
ハロウィンのかぼちゃに顔が彫ってある理由
ハロウィンのかぼちゃには顔が掘ってありますよね!
怖い顔だったり不気味な笑顔だったりして苦手な方もいます。
あの顔は悪霊を怖がらせ、追い払うためです。
また、古代ケルトでは頭蓋骨に魂が宿ると言われており、
顔を掘ったカブを人の頭蓋骨に見立てて
ハロウィンに帰ってきた死者の魂の拠り所にしたという説もあります。
ハロウィンのかぼちゃの謎 まとめ
・ハロウィンの文化と鬼火伝承が合わさり、現在のハロウィンの形になった。
・ハロウィンは収穫感謝祭であり死者の魂が帰ってくる日である。
・アイルランドに古くから伝わる鬼火伝承がジャックオランタンの起源。
・もともとはカブで作られていたが、アメリカでは手に入りやすいカボチャで代用。
・日本の緑色のカボチャとハロウィンのオレンジ色のかぼちゃは別の種類。
・ペポカボチャが主流の欧米からそのままの形で日本に伝わった。
・悪霊を怖がらせるために怖い顔が彫ってある。
ハロウィンの時に飾るジャック・オ・ランタンについて
なぜカボチャを飾るのか、
なぜオレンジ色のかぼちゃばかりなのか、
なぜ顔が彫ってあるのかを紹介しました。
もともとカブで作られていたことは知らない方も多いのではないでしょうか。
もとは宗教的な意味合いで行われていたハロウィンも
現在は仮装してパーティするイベント的な要素も強くなり、
日本では「コスプレパーティ」なんて言われ方をしたりしています。
本来の意味はどこへやら、「若者がコスプレして騒ぐ日」と
マイナスイメージを持ったり
仮装に興味がなければ完全スルーの方が多いですが、
ぜひ今年は本来の意味と目的を知って
お子さんと一緒にジャックオランタンを作るのもいいのではと思います。
【関連記事】
幼児のお子さんにも作れる折り紙のカボチャの作り方を紹介しています。
ぜひ一緒に作ってみてくださいね♪